朝日のあたる川 赤貧にっぽん釣りの旅二万三千キロ【無料公開中】

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29歳、家無し、職無し、彼女あり。
こんな僕にも朝日はのぼる!

上京10年、ミュージシャンの夢はかなわなかった。仕事もアパートも捨て、新しい夢─日本縦断釣りの旅へ出た。僕に残っているのは、釣りと仲間と彼女のエミ。 ─恋あり涙あり冒険あり。崖っぷち無職男の夢は覚めるのか!?

「旅に行かないで!」(エミ)
「みんな、お前の夢に乗ってるんだよ」(先輩)
「お前とうとう漁師になったんが!?」(山形のじいちゃん)

真柄慎一(著) カバーイラスト:いましろたかし
ISBN978-4-939003-41-7
新書判264頁 本体 1,143円

紀伊國屋書店「書評空間」選定図書
「体だけは丈夫でな」と津々浦々でじいちゃんばあちゃんが言っている
紀伊國屋書店「書評空間」(四釜裕子さん書評)(8.11)

読売新聞・書評欄「本よみうり堂」採用
旅先での感動が生き生きと伝わってくる青春旅日記
>読売新聞・書評欄「本よみうり堂」(9.26)

毎日新聞・書評欄「今週の本棚」採用
たとえ挫折しても、また新しい夢を見つければいい
>毎日新聞・書評欄「今週の本棚(10.3)

広報「もがみ」(山形県最上町町報)
最上町で旅の終わりを迎えた著者を待ち受けていた運命とは…。
>広報「もがみ」(11.2)


内容紹介

本文目次

Ⅰ いい日旅立ち 東京・中野  【全文無料公開中】

春。上京してから10回目の桜が散っていった。僕はあることを決意した。

上京はしたけれど/世界が変わった/釣りのために働く日々/「釣りをしながら日本を一周したいんです」/エミとの出会い/オンボロ軽ワゴンを改造する/六〇人の前で涙を流す

Ⅱ 一人の時間  熊本、鹿児島、宮崎、福岡   
車のフロントガラスを大粒の雨が打つ。ワイパーをフル稼働させるとキィキィ音がした。「大丈夫か?」 僕はオンボロ車の不安を打ち消すようにアクセルを踏んだ。

西へ向かって/強く抱きしめるしか/旅の間の六つのルール/三月二日 山中、雪が舞う/三月三日 家のないおばちゃん/三月四日 初釣りでボウズ/三月五日 これだから釣り人は…/三月六日 あたたかいシュラフ/三月七日  こんなに幸せでいいのかな/三月一〇日 先輩の実家で歓待される/三月二〇日 エミが来た/三月二五日 極上の温泉/四月八日 ゴギの棲む川へ

Ⅲ 桜前線と共に 山口、島根、広島、高知

そこに何度も沈下し、少々古ぼけてはいるがとても丈夫な橋がひとつ。もうこの辺りで釣りをやろうなんて思わなかった。釣りをやらずに心が満たされるなんて、初めての感覚だった。

四月九日 いい釣りした後は/日々の酒と一週間の食生活/毎日ご飯を炊く/夜はフライを巻く/四月一三日 残雪の川で/四月一六日 初めてのカーフェリー/原爆ドームでモヤモヤ/あたしゃ幸せだよ/四月一九日 四万十川で/大丈夫、大丈夫

Ⅳ 四つの国から雲出づる国へ 高知、岡山、広島、島根
 
立派な松が幾本も並ぶ林の中。木漏れ日が動くと微かな潮風が吹く。「海までもうすぐだ。」小高い丘を抜けると急に空が開け、思わず光に手をかざす。細めた目をゆっくり戻すと、左から右へ手前からずっと奥まで、果てしなく続く太平洋が広がった。

四月二〇日 幕末の志士になる/四月二一日 食べるのは苦手/四月二三日 午前二時、砂にはまる/もっとゆっくり、釣りしなさい/四月二五日 光に集まる魚のように/旅で使った釣り道具たち/四月二九日 神々の集まるところ

Ⅴ 旅と釣りと僕とエミ 鳥取、島根、京都

「夜に出発するもんじゃない。今晩も泊まっていけ。」マツ君の家へお邪魔して二日目の晩、三日目の晩もお父さんに言われた。口数の少ないお父さんが少々強引に言う。温かくて優しくて僕は甘えやすかった。うちの親父も同じことを言うなぁなんて、実家のような居心地の良さを感じていた。

五月三日 マツ君の家で/原点の釣り/五月四日 たまにはお金のことも考える/五月五日  釣り人生、最高の舞台/大きいの、中くらいの、小さいの/五月一〇日 「明日、京都へ行きます。」/五月一一日 二度目の修学旅行/五月二一日 九頭竜川のサクラマス/五月二五日  熱き人、守る人/五月二八日 うなぎも酒も/旅の途中で二九歳になった/六月二日 期待の東北へ

Ⅵ 生家へ。 山形、秋田、青森

出発から約三ヶ月。時間のたつのが早くて驚いてしまう。ついこの前のちょっと辛かったこと、少し寂しかったこと、すごく楽しかったことが、もう遠い旅の思い出になっている。これから向かう東北でも、素晴らしい思い出を残せるだろうか。僕は山形出身、東北は生まれ育った土地だ。東京から秋田の釣り場へ直行する予定だったが、ちょっと山形の実家へ顔を出してみた。

六月一三日 真柄家の人々/親父の本音/六月二一日 新緑ヤマメ/主を狙う/食え、食え、食え…/お前、まだいるのか/六月二二日 タケシ登場/うどん食わせろっちゃ/我が家にテレビがやって来た/七月二日 クマに遭う /七月三日 白神山地の神様へ

Ⅶ 僕の遠野物語 秋田、青森、岩手

車のメーターパネルで、急に赤いランプが点灯した。「なんだ、この温泉マークみたいのは?」 後方を走っていたツヨシが車から降りて、かけよって来た。「真柄、さっき、車の腹擦ったべ。そん時、なんか車の下からパーツ落ちたぞ。」「えっ、それでこの温泉マークみたいなやつが光ってるのか。」「真柄、それマフラーが高熱になってるランプだ。」

七月四日 大惨事発生/スペアもパンク/森が最高だから/七月七日 もうひとつの天の川/七月一二日 会心の釣りがつづく/そしてついに/七月一六日 どんとはれ/カッパとビール/七月二七日 下北半島から北海道へ

Ⅷ あこがれの北の大地 北海道

どんなに憧れただろうか。この土地に。「とにかくニジマスのファイトが凄い。」「なんと言っても本州にはない、最高のロケーションだ。」「食いものも抜群にうまい。」「ヒグマに気をつけろ。」釣りの先輩方や仲間たちから、たくさんの話を聞かされていた。初めての北海道。僕の頭の中はパチッ、パチッと音を立て、ドクン、ドクンと心臓が鳴っていた。

八月二日 センターラインの上に/八月四日 ブラウンも大きかった/八月六日 サッと鍋にくぐらせて/八月七日 ファースト・キャストで決めないと/八月一〇日 北の国ソング/八月一二日 馬を見てエミを思い出す/八月一四日 日高山脈を越えて

Ⅸ いいこともわるいことも 北海道 

日付が変わる少し前の夜中。帯広市街地の一本道を車で飛ばしていた。わけあってものすごく急いでいた。交差点に入ったタイミングはギリギリ赤だった。左右に目をやると上下で白黒のツートンカラーの車が見えた。バックミラーで後ろを見つめる。ドクンドクン、追ってくるのか、こないのか。ドクンドクン、来るなら早く来てくれ。来ないなら頼む、来ないでくれ。

八月一七日  お前、パトカーに乗れ/八月二七日 十勝が好きだ/八月二八日  変哲もない川で/五〇メートルダッシュ×二本/八月二九日  アイヌコタン、彫り込んだ時間/九月一日 大湿原と釧路川/屈斜路湖で混浴せず

Ⅹ 風立ちぬ、サケが来る 北海道

「スッゲ〜、デッカッ!」と言った僕の口はそのままふさがらなかった。こんなのがいるのか。間違ってオレの竿にかかったらどうしよう。そんな妄想をしながら大物の写真を見ているだけでも楽しめるのだが、そればかりではない。「なに、この魚? なに、この釣り方と道具は?」

九月二日  なんでもない流れなのに/これがぜんぶ魚だなんて/九月三日 トドワラで思う/九月四日 似た者どうし/九月五日 あなたの釣りを見せてください/北海道独自の釣り新聞、釣り雑誌/九月七日 カラフトマスがやって来た

Ⅺ 知床旅情 北海道
 
「おはようっ。いい天気になりそうだね。」旅のあいだ、知らない人に話しかけられることはよくあった。ひとことめはもちろん挨拶だ。おばさんの威勢のいい「おはようっ。」は気分が良かった。打ちとけすぎておばさんの家にまでお邪魔するとは、このとき思いもしなかった。

あたしに子供がいたら/エサはサンマを使え/今だから言えるけど/九月一〇日 羅臼とウマが合う/地元民と露天風呂/見たこともない魚を/ネオンの街でひとり/九月一一日 いた、いた、いたっ!

Ⅻ 初めての動物園 北海道 

「もし飛行機のチケットが取れたら、近いうちに北海道へ行こうと思っているの。」「えぇっ。本当にっ。」僕は今にも猿払村に入ろうとしていて、旭川までは相当な距離があるな、と思った。「でもね、旭川空港って土日のチケットがすごく取りづらいんだって。もしも旭川がダメでも、新千歳空港が取れたら、迎えに来てくれる?」

九月一二日 その細い棒はなに/この喜びを皆さんに/筋子はだれの子/釣りにルールはいらない/九月一七日 オホーツク海岸を北上する/白いクマと黒いクマ/ふたたび、北へ

XⅢ 結婚しようよ 北海道、山形

海岸線に並ぶ漁師の家は、どこも玄関と縁側の戸が開けっ放しだった。庭や縁側にいるおじいちゃん、おばあちゃんとたまに目が合うと、「休んでけ。お茶でも出すよ。」と何回も声がかかった。僕はふと、山形で育った幼いころを思い出した。

九月二一日 僕は僕のポイントへ/幻の魚、イトウ/九月二二日 何とかなるさ/ところでおめえはどこの子だ/バフンウニを食べたい/九月二四日 二九歳、男泣き/九月二七日 さらば北海道/九月二九日 実家で四人で正座する

最終章 秋桜 山形
 
目が覚めると天井が高くてビックリした。低くて狭い車内ではない。ふかふかの布団にくるまっているのにもビックリした。ペタペタに薄くてベタベタに汗臭い寝袋じゃない。洗いたてのシーツの香りがした。

漁師じゃないってば/えっ、もう終わったの?/本当に終わったんだ/九月三〇日 ふるさとの川

著者あとがき  ずっと先の新しい夢を見ている  真柄慎一

※旅で使ったフライパターン写真を全収録! 列島23000キロ 著者描きおろしマップ付き

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画・いましろたかし 『朝日のあたる川』カバーイラスト
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